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フラロビのSS置き場。
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サンジとブルックの頭だったら即行で、しかも真顔で落としそう。


脱力状態のロビンが、しかも腕の自由の利かないロビンが、自分でフランキーの頭を「よいしょっと」と載せたとは考え難い。
後はフランキーが寝返りを打つか何かして偶然載ったか、「おう。ちょっとお前膝貸せや」ってやったとも考え難い。
そして、ロビンはフランキーじゃなくても膝を貸してあげたと思う、サンジとブルック以外には。


++++++++++





56. 誰がコマドリ殺したの?
(2) 所有印


「ロビンが教えられねェとは思わねェよ。でももう、舌がうまく回ってねェもん。だから」
「発音が悪い、と?」
「そういうんでもなくて」
ロビンはグラスを煽って、中身を全部飲み干すと、空いたそれをサイドテーブルにいささか乱暴に置いた。
「そんな飲み方、身体に良くねェぞ?ほら、力の加減も狂ってるじゃねェか」
「誰が狂ってるって?酷いじゃない」
「そんなこと言ってねェ」


ロビンの細い腕が伸び、フランキーのアロハの襟を掴んだ。
制御しきれていないロビンの腕は止めるべきところで止まらず、フランキーの左肩を思い切り肌蹴させた。
勢い余ってロビンもフランキーに激突し、彼の胸に額をつけた形で止まった。
弾みでカーディガンがパサリと落ち、フランキーの眼下には真っ白な背中の中程までが無防備に広がった。


「おい…大丈夫か?ロビン…」
ロビンがフランキーに頬を摺り寄せ、瞳を閉じた。
フランキーの心臓が慌しく鳴り始める。
ロビンと肌と肌が重なっている箇所が、火傷したみたいに熱を発する。
胸に直接触れる、ロビンの体温と肌の滑らかさに、フランキーの身体に鳥肌が立った。


ロビンの身体から力が抜け、腕に抱く彼女の身体が重くなる。
じわり、とフランキーの下腹部の奥底に熱が溜まった。
これはあまり、良くない状況だと思う。
「ちょっと、ロビン…そんなにくっつくと…」
硬くなって動き辛くなっちまうンだけど。
でも、ロビンは離れない。


ロビンの呼気が、フランキーの肌にかかる。
熱い。
熱くて甘くて、酒が混じってて。
フランキーも酔ってしまいそうだった。
酒になのか、ロビンになのか、分からないけれど。
ロビンの指が、肌蹴たままのフランキーの胸元を這う。
陽に焼けた色の肌と、透き通るように白い指と顔。
暗い部屋に灯る薄暗い照明の下、寄り添うふたりは、充分に男と女。


昂る胸の鼓動は、頬をつけているロビンには聞こえている筈。
それはそのまま、フランキーがロビンを欲しがる度合の音で。
「ロビン…」
フランキーはロビンの身体に長い腕を回し、その腕に力を込め
ようとした時、ロビンの尖った爪が、ぐいい、とフランキーの胸に食い込んだ。


「いいいってえええ!」
フランキーは思わず悲鳴を上げた。
「な、何すんだよ!」
この場合の、何、は『爪をぶっ刺されたこと』ではなく『ムードブレイカー行為』のことを指している。
見れば、肌が三日月の形に凹んでいる。
そして、その三日月がキスマークの上に乗っかっていることにも、同時に気がついた。


「あ…気がつかなかった…今日、つけられてたのか…」
さっきまで胸の中で寄り添ってくれていた存在は、冷たい瞳でカウチのクッションに寄りかかっている。
「所有印」
「は?」
「この人は私のものよ、ってことでしょう?」
ロビンは眉を険しく顰めた。


「先月、彼女と別れたって言ってなかった?」
「ああ、あの後、新しい彼女が…」
「最近はモテないと言ってなかった?」
「以前と比べれば…の話で、全くモテないわけでは…」
「今日、セックスしてきたの?」
「ええ、まあ、ちょっと、そんな機会がありまして…」


何でおれ問い詰められてるの?
と思いつつも、フランキーは言い訳がましく答えている。
ロビンはフランキーの胸に好戦的につけられたキスマークに、じと、とした視線を縫いつけると、再び爪先でグリグリと穿った。
「私に対する挑発…?」
「何言ってんだよ、痛ェってば」
フランキーは酔っ払いに執拗にタゲられている個所を手の平で覆った。


「所有印。こんなの恋人につけて。つけるなら見えないところにしなさいよ」
「や、知らなかったから」
「フランキーに言ってないわ。あなたの、彼女」
ロビンは憤慨しているようだった。
やっぱり脳ミソがアルコール漬けになっているからだろうか?
通常運転のロビンだったら絶対にしない反応。


フランキーは考える。
いつものロビンに彼女のつけた『所有印』を見せていたら、たぶん、凄く薄い反応だったと思う。
「見えないところにつけるように、彼女に言いなさいね」
くらいの発言に留まって、困ったように笑って終わりだと思う。


でも、もしかしたら。
ロビンは本音を隠そうとするひとだから。
本当は、困ったような笑顔の裏で、今の酔っぱらって感情に素直になっているロビンみたいな露骨なヤキモチを焼いているのかもし(ry
なんて、今夜のロビンはゆっくり考えさせてもくれない。


「知ってる?『皆で使う人』や『他人から借りている人』にはこういうの、つけないのがルールなのよ?」
「は?え?」
「だから、私はつけられたことなかったわ…」
「は?」


呂律が回らなくなってきているせいもあるけれど、ロビンの言っていることが理解出来ない。
ロビンがどういうひとから何をつけられなかったって?
ロビンの言葉を噛み砕いているうちに
「私だったら…ここにつけるわ…」
と、腿の付け根近くの鼠径部を撫でられて、フランキーの頭は一瞬で沸騰した。
それまで考えていたことも瞬時に飛び去った。
「あ、後、2センチ、右に触ってくれれば…」
拳を強く握り締め、失望に項垂れる。


「服に隠れないところにするなら、ここ、かしら…」
たおやかな腕が差し出され、ロビンの人指し指が、フランキーの耳朶を掬い上げた。
不意に与えられた官能に、フランキーは息を呑む。
ロビンが緩やかに近づいてくる。
相手の顎に手を添えて、首を丁度いい角度に曲げようとする、ロビンの力にフランキーは逆らわない。
「耳の裏まで、陽に焼けているのね…」
視界の外で、ロビンがくすりと笑った。


す、とフランキーの耳朶の裏に、ロビンの唇が押し当てられた。
ロビンの熱い息が耳にかかる。
胸に胸が押し付けられ、柔らかく歪む乳房の圧力と、薄い布地一枚挟んでその存在を主張してくる突起の、それと分かる硬さにフランキーの肉幹は一気に膨張した。
ぞくぞくとした痺れが、ロビンを感じる身体の全てに伝わる。


込み上げてくる衝動に任せてロビンを押し倒してしまいそうになるのを必死に抑えて、不安定なロビンの肩先を手の平で包むまでに留めた。
ロビンの腕がフランキーの首に回される。
唇がフランキーの肌をきつく吸い上げる。
内出血を知らせる微かな痛みに、フランキーの目がほんの少し細められた。


ロビンがゆっくりと唇を離す。
フランキーの肌に小さな花弁のように刻まれた朱印を満足気に指先で触った。
「ここなら…こんな風に赤くなっても髪の毛で隠れるもの…。ね」
「こんな、とか、ね、とか言われても、おれ、見えねェから」
フランキーは顔を赤らめて、ロビンがつけた自分からは見えない所有印を指で擦った。


「な…ロビン」
「なあに」
「おれもロビンのここにつけていい?おれの、所有印」
フランキーも手を伸ばして、ロビンの耳朶を摘んだ。
敏感な部分に愛しい男の温もりを感じる。
ロビンの身体の奥底から、勝手に蜜が蕩け出し、無意識に膝頭を合わせた。
ロビンは小さく、首を前に倒す。


「フランキー…、その前に下からお水、持って来てもらってもいい…?」
幾らか滑舌がよくなって、素面のロビンに近づいているようにフランキーは感じた。
「喉が渇いて…その、渇きが潤ったら…私に…して…」
「ちょ、ちょっと待ってろ。今すぐ持ってくるッ!」
お許しが出た!
酔っ払いのロビンも可愛いが、キスするなら普段通りのロビンがいい!
フランキーは電光石火で走って戻ってきた。
でも。


フランキーが水を運んでくると、ロビンは静かな寝息を立てていた。
「なーんだよ、もお…動き辛いのを押して頑張って走ったのに…」
ワイングラスの隣に、水の入ったコップを置く。
「寝てるロビンにキスしてもなァ…」
反応がないと詰まらない。
フランキーは大きな溜息をついた。


それにしても。
今日のロビンはどうしたんだろう。
こんな酔い方をするほど酒を飲むなんて。
「酒を飲んで紛らわせたくなるようなことが…何かあったのかな…」
そんな時は、独りで飲むのではなくて声をかけてくれればいいのに、とフランキーは少し寂しく思った。
確かにまだ未成年だから、建前上はまだ飲酒出来ないけれど、飲めないわけじゃないのだから。
少なくとも、話し相手にはなれる。


待っている間に読もうと思ったのだろう。
膝掛けの上に本が伏せられていて、手から滑り落ちそうになっていた。
読書しようとしてすぐに寝ちまったんだな。
フランキーはそうっと彼女の手から本を取り上げると、頁の間に挿してあった栞を挟んだ。
それをサイドテーブルに戻そうとして、その上に無造作に置かれた雑誌に気がついた。


雑誌の上に何冊かの本が重ねられていたため、表紙の全景は分からないけれど、見出しには『巨大詐欺事件の真相』の文字が躍っている。
ロビンがこんなゴシップ誌を読むなんて珍しい。
これと似たような表紙を最近どこかで見たようにも思ったが、さりとて気にも留めなかった。
それよりも何よりも、今のフランキーの神経は寝ているロビンに向かっていて。


「ロビンの寝顔…」
フランキーは床に座り込み、ロビンの寝顔をじっと覗き込んだ。
規則正しい呼吸に合わせて大きな胸が上下する。
長い睫毛が、白磁のような肌理細やかな白い肌に濃い影を落とす。
以前も思った通り、フランキーよりも年上のロビンの寝顔は、案外いとけなくて、寝ている彼女とならば釣り合いが取れる気がする。
近くて遠い彼女にも、ほら、簡単に手が届く。


フランキーは縺れて顔に掛った黒髪を指先で払ってあげた。
それが刺激となったのか、ロビンがくぐもった声を出した。
美しい眉が切なそうに顰められ、形の良いふくよかな唇が吐息を漏らす。
びり、と感電したような刺激がまた、フランキーの背筋を走った。
落ち着きを見せ始めていた肉にまた血が漲っていく。
起こしてはいけないと、フランキーの脳ミソは手を引っ込めるように命令を出したが、それは身体に拒否された。


眼下の女が見せる艶めかしさに、再び手が伸びる。
止めた方がいい、と理性が訴える。
欲望は、聞く耳を持たない。
フランキーの親指が女の赤い唇に触れた。
触れるか触れないか、そのもどかしい距離を保って、唇の輪郭をなぞる。
女がピクリ、と反応した。


じれったい愛撫に微かに首が振られ、はあ、と熱い吐息がこぼれる。
甘い息を受けた指を白い肌に滑らせてゆく。
滑らかな頬を伝って、細い顎を辿り、耳朶へ。
さっき、キスを断念した場所。
ふるり、と耳朶が震えた瞬間。
ロビンは身を捩り、小さな、けれどあからさまな喘ぎ声を漏らした。
フランキーの身体が、ぞくり、ぞくり、とする。


初めて聞いた、ロビンの『女』の声。
今までフランキーが見たことのない彼女の『女』の部分。
そしてずっと、見てみたい、と熱望していた彼女の『女』の部分。
今、ロビンはフランキーの指先の愛撫にしどけない反応を見せている。
指の動きに合わせてロビンが身をくねらせ、色めいた溜息で更なる愛撫を催促する。


先程まで、いたずらに刺激を受けていたフランキーの身体の着火は速かった。
ロビンが艶めかしく悶える度に、フランキーの下腹部に着いた肉欲の種火が大きくなっていった。



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