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フラロビのSS置き場。
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半年でずいぶんと書いたものだ…。


※R-18 。


最初はキリがなくなるし本宅放置が進むだけだと、フラロビのSSはこの『345』以外書くつもりはなかったし、この話だってせいぜい10話で終わらせるつもりだった、のに、どうしてこうなった。
花の画像は文字ばかりだと殺風景だよなー、というのと、ロビンちゃんリスペクトと、このSSのタイトルのせい。


++++++++++






89. 三月の風、四月の雨、五月の花を咲かすため。(2)


「このデザインでこの予算だと……買えるのはこれだけだろ?これとこれは…トムズにあるっけ…?あー、これはこないだの工事で残った部材で何とかなるか…」
仲間が帰って静かになった店内にフランキーのボヤキが断続的に呟かれる。
見送りから戻ったロビンはテーブルで頭を抱えたまま固まっているフランキーの姿に、くすり、と笑みをこぼした。
「結局いつも引き受けることになるのよね」
トレーに皿を重ねながら言うロビンに
「昔ッからナミには勝てねェ…口応え出来るヤツがいたら顔が見てェよ」
とフランキーは唇を尖らせた。


ふふふ、と笑ってロビンはシンクへと向かう。
フランキーはその細い背中に目を遣って、頬を緩めた。
最近、とみに綺麗になったと巷で評判の古書店の店主。
付き合いだして3カ月程になる、フランキーの彼女。


フランキーから見ても、ロビンは綺麗になったと思う。
いや、元々綺麗なんだけど、いつも嬉しそうで、いつも機嫌が良くて、笑顔がキラキラと輝いて、それはもう間近で見ていて眩しい。
今も、鼻歌交じりにカップを洗っている。
フランキーは席を立ち、ロビンの元に歩を進める。
「フランキー、ちょっと待っててね。これが終わったら新しいコーラを用意するから」
ロビンがにこりと笑顔をくれた。


フランキーはそのままユーティリティの中に入り込む。
洗い物のための流水が背後から伸びた大きな手によって止められた。
逞しい腕はそのままシンクに立つロビンに巻き付いて、愛おしい女を背中から抱き締める。
「ロビン」
熱っぽい、かすれた声で名前を呼ばれて、それだけでロビンの身体に震えが走った。
フランキーの手の平がロビンの顎を包み、上向かせ、齧るように唇を落とせば、腕の中で女の身体は自ら反回転して正面から向き合った。


フランキーの舌がロビンの唇の内側を舐める。
それだけでビリビリと駆け下る快感に、ロビンは思わず顎を引いた。
「だ、駄目よ、フランキー…。ここはお店だから…」
「客はいねェ。誰も見てねェよ…」
瞳に戸惑いを残すも、フランキーの言葉に流されて。


フランキーの口づけをより深く、より濃く堪能するためにロビンを首を大きく傾ける。
太い首に両腕を回し、全身を擦り付けるようにして密着させた。
ロビンもずっと、フランキーのキスが欲しかった。
フランキーがこの店に現れてからずっと、ナミ達がいたから我慢していただけ。
フランキーの愛撫に応える、キスだけで呼吸が荒くなる。
キスよりも先が、欲しくなってしまう。


「な…ロビン…」
一頻り、唾液の交換を行って、ロビンを腕の檻で閉じ込めてフランキーが言う。
「おれ達付き合ってるって…まだ内緒にしてなきゃダメ?」
甘えたように鼻先同士を擦り合わせてくるフランキーに、ロビンは困ったように眉を寄せ
「まだ内緒にしてて。誰かが気がつくまで」
と答えた。





どうしてか、ロビンは付き合っていることを対外的に内緒にするようにフランキーに求めた。
フランキーは一刻も早くこの福音を世に知らしめたくて仕方がなかったのに、ロビンは誰かに知られるまでは黙っててと言った。
フランキーはぶーたれたが、最愛の彼女から「お願い」と微笑みつきで頼まれては折れないわけにはいかない。
惚れた弱みだ、こんな小さいことで嫌われたくもない。


だから、フランキーは身内であるアイスバーグにもトムにも、片恋の友人を気にかけてくれているサンジにもウソップにも、誰にもロビンとの仲を秘密にする日々を彼これ3カ月も続けているのだ。
フランキー自身、表だって他人の前でロビンとベタベタしたいわけではなかったし、合い鍵を持っている隣人宅には好きな時に好きなだけ行け、幾らでもヤりたい放題だったから最初のうちは何の文句もなかった。
この夏はロビンと一緒に花火も見に行ったし、野球観戦にも行ったし、泊まりがけで海にも遠出した。
周りに内緒なので、余所で落ち合って離れたところで解散という、フランキー的には意味のない行動がついて回ったけれど、恋人同士のデートは満喫したし、何よりロビンがとても喜んでいたから、それで良しとしていた。


けれど、夏も終わって、付き合ってから3カ月も経つ今現在も、秘密の関係が続いている。
フランキーとしては誰かしらが絶対に気付いてくれると思っていたのに、誰も気付いてくれない現状に些かショックを受けていた。
ロビンがめっきり綺麗になった、誰かいい人が出来たのではと、商店街で専らの評判なのに、誰もその相手がフランキーだと考えてくれない。
仲間内ですら、フランキーではなく他の誰かがロビンの相手だと信じ込んでいる始末。
ロビンを綺麗にしたのは紛れもない自分。
なのに、幸せ絶頂の筈が、どうしてあんな憐みの籠った瞳で見られなきゃならんのか。


かてて加えて、光輝く様に美しく、女としての艶を増したロビンの周囲にはこれまで以上に男客が押し寄せるようになってしまった。
これまでもチラホラ求婚者の噂は耳にしていたが、それが今や前年比の3倍、先だってはプロポーズの現場に遭遇するという地獄まで見てしまった(主に求婚者が)。
「ニコ・ロビンはフランキーの女だ、近寄んな」と公言出来るなら、害虫は元から絶てて駆除が容易いのに。
でも、それが出来ない。
まだロビンから解禁のお許しが出ない。
辛い。


それに、ロビンがどうしてここまで意固地に二人の関係を伏せたがるのかもフランキーには理解出来なかった。
最初は、男性客ばかりのこの店で店主に男が出来たなんて知れると、商売が遣り難くなるからだろう、と思っていた。
けれど、それにしても徹底が過ぎている気がする。
そのうちに、「相手がフランキーであること」が問題なのではないか、と思うようになった。
くだらない考えにも程があると思う、ロビンの気持ちを疑っているから、こんな考えが湧くんだと自分で分かってもいる。


でも、「フランキーと付き合っていることを公にしたくない」のだとしたら、その理由は何なのか、と考えないわけにはいかなくて。
長く付き合う気がないから?
そうなった時、知る人が少ない程、実害がないから?
『可愛いフランキー』が比較的傷つかなくて済むように?
付き合ってみたら、意外と大したことない男だって実感したわけ?


ただ自分が想像した原因に傷ついて、不安ならロビン本人に訊けばいいだけなのに、怖くてそれも出来なくて。
どんなことをしても、もう、ロビンを手放したくなんかなかったし、ロビンにしがみ付いていたかった。
それがどんなに惨めな姿か客観的に理解できても、ロビンに去られるくらいなら無様な格好を晒した方がずっといい。
そんな女々しい自分が嫌で、そうこうしているうちに、秘密にしたがるロビンにも苛立ってくる。


恋愛情動を制御しきれない程、この頃のフランキーは悩んで、若かった。


初めて愛したヒト。

愛することを教えてくれたヒト。

喉から手が出るくらい欲しかったヒト。

想いが繋がる喜びを与えてくれたヒト。

世界中の誰よりも幸せになって欲しいヒト。

自分の一番近い場所でいつも笑ってて欲しいヒト。

唯一無二の、ヒト。


ロビンへの片恋に苦しんでいた時期は辛かった。
過去の自分に申し訳なさが湧き立つくらいに、今の辛さが贅沢な辛さだってことは分かっている。
想いが通じたからこその悩みだからだ。
でも、やっぱり、胸が痛い。





ロビンが欲しい。
根こそぎ欲しい。
もう、他の誰かのモノになる可能性を根絶やしにしたい。
おれに一生、縛り付けたい。





フランキーはロビンの頬に指を滑らせた。
傷一つない、滑らかな肌。
あのアホ面につけられた傷も、今はもう跡形もない。
「…残っちまえば良かったのに…」
目を背けるような惨い傷が残っていたら、誰もロビンに見向きもしないのに。
おれだけの、ロビンになったのに。
おれだけはどんなでも、ロビンを愛せるのに。


また、自分の望みのために、ロビンの不幸を願っているおれがいる。
どうすればおれは、満足できるんだろう。
想いが通じたのに。
ロビンを腕に抱く権利を手に入れたのに。


フランキーの心の中に、不平不満の終助詞がこれでもかと連なってゆく。
フランキーの目元が苦しそうに歪んだことに、ロビンは気がついた。
「どうしたの?フランキ…」
ロビンを抱く腕に力を込め、自分への心配を口にしかけた唇を塞ぐ。
細い身体に圧し掛かるようにして口づけを深め、膝で女の両脚を割り、しどけなく大股開きにさせた。


些か乱暴にスカートの裾を捲り上げていき、無遠慮にエレガントなショーツに手を掛ける。
ロビンは制止の言葉をかけたいのだろう、必死に首を振って物を言う自由を回復させようとしているが、フランキーがそれを許さない。
己の肉厚な舌をロビンの口腔に長く挿し入れて、何かを話そうとすればそれを噛んでしまう躊躇いを女に植え付ける。
元より、細い腕で目一杯突かれても、その分厚い胸筋はびくともしない。


ロビンの腰はシンクに押し付けられ、後退も出来ない、退路がない。
布地面積のやたら少ないTバックは防御能力の期待ができないくせに、攻撃対象を無駄に煽る。
あっさりとフランキーの指に荒々しい侵入を許可し、しかも吸湿能力もまた低いそれは
「何だ、もう濡れてンじゃねェの」
という恥ずかしい台詞を引き出す結果となる。
店内を今流れているのはリストの『ラ・カンパネラ』、淫らな水音とのミスマッチも甚だしい。


太い指が抽挿される度に高らかに立つ、くちゅ、ぬちゅ…ッ、という卑猥な音がロビンの身体から力を抜いていく。
フランキーがもどかしそうに短パンをずり下げて、既に硬く面を上げた肉樹を滑らかな下腹部に押し付けると、その硬度と熱量に触れたロビンの舌の動きが明らかに抵抗から甘受に変わった。
フランキーは唇を首筋へと移す。
「んッ…あん…ッ、駄目、お客さん、が…来ちゃ、う…」


口では何と言っても、身体はフランキーの愛撫に素直に応え、びくんびくんと震え、ゴツゴツした肉幹を素股する秘裂からは、それの滑りを良くするための蜜が止め処なくと溢れ出している。
フランキーがブラのホックを外そうと服の背中に両手を差し入れると、その動きを助けようと、ロビンの身体が無意識に反らされた。
ぴ、とホックが外れると、その戒めから解き放たれた乳が、フランキーの身体との接点に重みを加える。


シャツをたくし上げて、その美乳を剥き出しにし、己の剛直をロビンの肉莢に埋めようとしたその時、店の戸が開く音がした。
「ごめんくださーい」
来客を告げられ、腕の中にいるロビンの身体に緊張が走ったのがフランキーにも伝わった。
流石にフランキーも、ちょっとヤバいかな、と思う。
自分はともかく、ロビンのイメージが悪くなるのはマズイ、というかロビンのこんな姿、他の野郎に見せてたまるか。


「フランキー、ね、放し…きゃッ…!」
フランキーはロビンを無理矢理床にしゃがませると、その口に肉樹を押し込んだ。
「んン…ん…ぅ…」
「しゃぶってろ」
仕事場で男根を咥えるロビンの淫靡な姿から視線を上げると、店主の返事がないことに違和を覚えながら入店してくる男性客と目が合った。
カウンターの内側にいるのが何故かカティ・フラムと分かった途端、「ひっ」と蒼褪めた息を呑む客。


「おう、いらっしゃい」
ドスの利いた、というよりは積極的に舌を動かし始めたロビンの技巧に抗った結果出た低い声に、更に客は及び腰になる。
「店主は今、所用で席を外していてな…おれは店番だ。何飲む?」
と、「とっとと帰れ」という三白眼で言われても。
麗しい美女を愛でに来たのであって、ゴツくて柄の悪いチンピラの淹れたコーヒーを飲みに来たのではない来客は大人しく、「また来ます」と去って行った。



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