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フラロビのSS置き場。
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今現在、ずっと先の話だけれど。



『ワンピース』がエンドマークを置いた後、麦わらの一味が旅を続けるのか、それともそれぞれの故郷に戻るのか、またはその両方のかけ合わせで一度凱旋した後に新たな冒険に出るのか、それは分からないけれど、一呼吸置いて故郷に錦を飾るとして。
ルフィはフーシャ村に帰った後どうするかな?じっとしてられる性質じゃないから独りでもどこか行きそう、ゾロはくいなの墓参りをした後に迷子になり行方不明、ナミもココヤシ村に帰って墓参り、サンジはゼフ達に顔を見せた後にナミの後を追ってココヤシ村にバラティエココヤシ店をオープンしそう。
ウソップはカヤの元に直行、チョパもくれはに顔を見せに行って、ブルックはラブーンと音楽三昧、フランキーはW7で涙の再会だね。


++++++++++






70. クルミを割れた日(前編)


「うーんと。まずは左後ろ脚な。これは完璧に圧し折れてるから取り換え。それから背棒が2本。倒れながらバランスを取ろうとして肘でついたんだろうが、装飾で細くなってるところで折れちまってる。これも取り換え」


クリスマス、というのは聖人の誕生日前夜を楽しむものであって、誕生日そのものはクリスマス飾りを撤収する日になる、というのがこの国のお決まり。
古書店も店頭のポインセチアは引っ込められ、後ちょっとしたら門松が飾られるらしい。
店内に飾ったクリスマスツリーのオーナメントを片付けているロビンの傍らで、フランキーは、昨日スパンダムに壊された椅子の修理個所の説明を始めた。
ロビンは自分の仕事の手を休めて、フランキーの話を聞く。


「それから、この脚と桟木の接合部もダメージ喰らってる。まァ、ここは何とか取り換え無しでいけると思う」
「そう。けっこう治す場所があるのね」
この椅子は元々、故クローバーが昔から使っていたもので、古書店で使うに当たってはフランキーがリフォームしてくれた、ロビンにとっては大事なものだ。
一晩経っても、まったくもってスパンダムが腹立たしい。


「ただ、問題はなァ…この椅子の材質が結構いいモンで…」
「そうなの?」
いい椅子なのは分かるけれど、ロビンには木の種類までは分からない。
「はかせは木に拘りがやっぱあったのかなァ…これはウォールナット。衝撃にゃァ強ェ、硬質の木材なんだが、それをどう転びゃァ、こんな風に壊せンだか…」
スパンダムってある意味天才かもしれない。
「まァ、早ェ話が高級木材だ。どうする?代替材でも遜色なく直すことは出来るが」
「お金の話はいいわ。フランキーの納得のいく形で直してくれれば」


フランキーは椅子から目を上げて、フランキーの手元を見つめるロビンの顔を見る。
フランキーの目線の移動を感じ、ロビンも目を上げた。
「どうかしたの?」
「ちゃんと元通り直せる?とか訊かねェの?」
フランキーの質問に、ロビンは瞳を細めた。


「あら。そんなこと言ったら失礼になるのでは?フランキーに直せないものなんてないでしょう?」
ロビンの口元が可笑しそうにほころんだ。
「まァな。おれはスーパーだからな。家具職人じゃァねェが、これくれェは朝飯前よ」
何のことはない、ただ、ロビンに褒めてもらいたかっただけ。
じゃァ、発注かけねェとな、とフランキーは笑った。
次にフランキーは座面を外して、損傷がないか押して確かめる。
と、俄かに眉根が寄せられた。


「ああ…座板が割れてらァ…ホント、どういうコケ方したんだよ?」
前回のリフォームの際、座面のファブリックを張り換えるにあたり、相当苦労したことを思い出す。
布地を固定してた鋲が経年劣化のために引き抜こうとしても頭だけが取れてしまい、木の中に残ってしまった針を一本一本ペンチで抜いたのだが、とても骨だった。
タッカーで安っぽく仕上げるのも嫌で、市販の鋲をアンティーク加工してみたりと試行錯誤を重ねた苦心の賜物だったのに。


「またこれを引き抜くのか…とはいえ、これくらいの仕事なら、今ここでちゃちゃっとやれるな」
フランキーは座り込んだ膝の上に敷布を広げると、その上で鋲を引き抜き始めた。
「へへ…この鋲は最近の仕事だから、抜きやすいな」
フランキーがドライバーを挿し込むと、然して力を入れているようには見えないのに、鋲の頭がきゅっと飛び出した。
フランキーは、飛び出したそれを指で摘んで引っこ抜く。
リズミカルに手際よく、敷布の上に鋲が次々と転がり落ちていく様を、ロビンはじっと眺めていた。


ふと、ロビンが手を伸ばし、頭の飛び出た鋲を摘んだ。
「おいおい、危ねェぞ?」
フランキーの心配を余所に引っ張ってみるも、抜ける気がまるでしない。
「よくこんな鋲、素手で抜けるわね?」
「そおかあ?」
ロビンが抜けなかったそれを、フランキーは親指と人差し指で容易く引っこ抜いた。


「指の力、強いのね」
「慣れだよ、慣れ」
とは言うものの、そんじょそこらの一般人男性じゃ無理だろう、という自負はある。
「昔は、ジャムの蓋が開かない、って私のところに持って来たのに」
ロビンは昔を思い出しクスクス笑った。
「もしも開けられない蓋があったら持って来いよ。今なら何だって開けてやる」
「そうね。その時はお願いするわ」


厭きもせず、ロビンはフランキーの手元を食い入るように見ている。
「どうした?こんなの見てて楽しいか?」
不思議そうに、フランキーが訊ねると
「ええ、とても」
と、ロビンはにっこりと答えた。
「ふうん」
頭のいい人は変なことを面白がるモンなんだな、とフランキーは思った。


「こういう作業をする男の人の手って、凄く色っぽいと思うの。セクシーで素敵」
ロビンの発言に、フランキーの動きが止まる。
自分の持ち物を『色っぽい』『セクシー』『素敵』と、想定もしない言葉で褒められて、それをこれまでどうやって動かしていたのかをすっかり忘れてしまった。
心頭滅却してから、ゆっくりと仕事を再開する。


「ロビン、目、おかしいンじゃねェか?」
「そうかしら」
「じゃあ、感性がおかしい」
「そんなことはないと思うけれど」


武骨で肉厚な掌、節くれだった太くて長い指が、繊細で器用な動きをする。
丁寧で、正確で、迅速な作業は、時を置かずにその成果が現れる。
フランキーの表情はもう一人前の職人で、でも物作りに携わっているその眼差しは工作を楽しんでいる少年のようで。


フランキーが工具を動かす度、力を入れる度に、指先や手の甲の筋、腕の筋肉が律動して、じっと見ているとロビンの胸はドキドキする。
作業をする手付きに性的な魅力を感じて、その手が女性を愛撫するそれに見えてしまう。
大切に修理される家具に自分を見立ててしまう。
フランキーの大きな手に、武骨なのに器用な指に、そんな風に触れられたいと、視線に熱がこもる。


ふと、鋲が床を転がる音にロビンはハッと我に帰った。
フランキーに見惚れていた自分に恥じらいつつ、ロビンは少しその場を離れる。
最近、変な夢をみてしまった余波だろうか?
昼日中にこんなことを考えるだなんて。


呼吸を整えながらすぐに戻って来たその手には、ジャムの空き瓶が握られていた。
ロビンはフランキーの膝の上を転げる鋲をひとつひとつ拾って、瓶の中にしまう。
「なくなるといけないから」
「ああ、さんきゅ」
いけない、と思っても、敷布の下にあるフランキーの筋肉の硬さを感じる度に、身体の奥底が熱く融けていく。


フランキーはフランキーで、ロビンの指に敷布越しに太腿周辺を啄ばまれて、こそばゆいような、ちょっと感じちゃうンですけどー、みたいな感触に、自分のしていることに無自覚な女をチラリと見た。
ロビンが屈みこんで鋲を拾う度に、彼女の胸が撓む。
動きによって襟刳りの開きが変わり、白い胸の谷間が奥まで広がる。
ああ、そうだ、
ロビンのおっぱい、揉んだんだった…ちょっとだけ。
と、数日前の恩恵を思い出す。


あの直後は、混沌とした悪感情に苛まれて、反芻する余裕がなかったけれど。
一件落着して振り返ってみれば、片想いの己が果報者に思えるくらいのことをロビンにしていたと気がついた。
確かに、ロビンの反応はフランキーに向けられていたものではなく、その点では残念極まりない。
けれど実際、フランキーの愛撫に反応していたことには変わりない。


フランキーの手の平を押し返す程の弾力をもって揉みしだかれていたのは、今現在、フランキーの目の前で揺れているロビンのおっぱいなのだ。
フランキーのこの指先で、乳首を擦られて甘く鳴いていたのは、ロビン。
唇で触れた首筋の滑らかさや、乳房の柔らかさ、自分の下で快感に悶えるロビンの姿態を思い出し、敷布に隠れて肉茎が頭を擡げた。


他人の名前を囁かれさえしなければ、確実に一線を越えていた。
そうしていたら、今、どういう関係になっていただろう?
こうして、今まで通りに『姉』と『弟』の顔を突き合わせてはいねェ筈。
きっと、過去に彼女を通り過ぎてきた男共と同じ行為をしたおれはロビンに拒絶されて、『弟』としても、『彼女に想いを寄せる男』としても傍に寄れなくなっていただろう。


それとも、
万が一にも、ロビンがおれの想いを受け入れてくれることがあったなら。
こんな時間からセックス出来る関係になってたり、したんだろうか…?



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