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フラロビのSS置き場。
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本当は束縛したいんだけど、相手との温度差を恐れて出来ないの。


※R-18。


フランキーとロビンは男女の仲になったとしても、麦わらの一味でいる間はお互いの気持ちを言葉にして伝え合わないでいる、っていう関係もまた良い。
「大人だから」っていうくだらない理由で互いを縛らない緩い繋がりでいながら、実は内心物凄く不安で、言葉で相手を繋ぎとめたいのに「何本気になってるの?」なんて言われたらカッコ悪いとか何とかでどちらも動けない。
だから触れようと思えば触れられるのに、やせ我慢をしあって素っ気ないフリをし合うという不毛さがいいと思う。


++++++++++





72. 男子お悩み座談会 part2 (前編)


薄暗い照明、女の部屋独特の甘ったるい匂い、安いベッドの軋む音。
組み伏せる柔らかい身体、肉杭で突き上げる度に上がる嬌声と、粘っこい水音。
フランキーは眉間に皺が寄る程にきつく目を閉じ、女の腰を両手で掴んで、力強く奥深く、その身体を掻き混ぜる。
硬くて太い火掻き棒のようなフランキーのペニスに蹂躙されて、女はただ喘ぐしか出来ない。


上りつめる白い肌が、ところどころ汗で光る。
首を打ち振る度に長い髪がシーツを擦り、女が抱く情欲とは裏腹にしめやかな音を立てる。
女がフランキーを呼ぶ。
とても切なげな声で。
それだけで、愛おしくて、気が狂いそうになる。


フランキーは今、目蓋の裏に描いたロビンを抱いていた。
フランキーの肉幹に貫かれ、ロビンが喘ぎ声を漏らしている。
フランキーを濡れた肉口で咥え込んで、精液を打ち込まれるのを待っている。
フランキーが突く度に、豊かなバストが揺れて、男の劣情を煽る。
フランキーは婀娜めいた艶やかな瞳で、感じる胸を弄んで欲しいと訴えられて、手を伸ばし鷲掴む。
記憶の中のロビンの乳房は、この手の平に負けないくらいに大きい。
柔らかくて、弾力があって、吸いつくようで。


でも。
今現在、手の中に収まっているおっぱいは、記憶のソレとはまるで別物。
ぱ、と目を開けた瞬間、甘やかな妄想は掻き消えた。
自分の真下で悶えているのは、けっこう可愛いし、そこそこスタイルもいいのだけれど、
ロビンではない、別のコ。


セックスをするのも、ちょっと久し振りで、
クリスマスも正月も何だかんだで一緒に過ごさなかった、
10日ばかり遅れて渡したクリスマスプレゼントは、何故か箱が思いっきりひしゃげていて、
そんなこんなを払拭するための、仲直りを兼ねたセックスの真っ最中だった、
自分の彼女。
現実にフランキーが抱いていたのは、ロビンではなくて、彼女。


ロビンと比較されても遜色ない胸なんて、滅多に出くわさない。
そんなことは、重々、百も承知、今まではそれで良かった。
けれど、ロビンのを知ってしまったから、揉んだ乳の感触に「これじゃない」と思ってしまった。
妄想から覚めて、ロビンじゃないのは当たり前なのに、ロビンじゃないことにショックを受けて。
自分の置かれた今に、どうしてか、力が落ちてしまった。


耳に残る喘ぎ声も、もっと甘くて深いトレモロで。
馴染んだ肌も、舌先に融けてしまいそうなくらい、もっと白く、薄く、滑らかで、敏感で。
近く寄ると、香るのは花の香り。
その唇は、男を途方もなく愚かに変える。
彼女には目で触れただけで、欲望の肉は猛り、尖った。


現実は現実、妄想は妄想。
今は現実。
男として、懸命に続行しようと思った。
彼女には全く罪がない。
本当に罪がない。
けれど、自分の抱いている女がロビンではないと分かった瞬間に、熱は一気に冷めて、逃げた熱は戻らない。


そして、次の一突きで、自分の身体に起きた重大な異変に気がついた。
「あ…う…」
どうしたの?、と急に動きを止めたフランキーに彼女が訝しそうに声をかける。
そりゃそうだ。
おれも自分に訊きたい、どうしたの?、と。


こんなことは初めてだった。
中折れ、なんて。







「おれ、もうだめだ。生きていく自信がねェ」
フランキーは頭を抱え、目には涙を盛り上げていた。
ここはサンジのマンション、泣きっ面の前には困惑顔の友人がふたり。
夜も更けての時間帯にフランキーの来襲を受けたサンジと、強制的に呼び付けられた形のウソップは、説明をしようとした途端に我が身を嘆き出したフランキーに、あーあ、と溜息をついた。


「一体何なんだよ?状況が掴めねェぞ?」
サンジはベッドに寄りかかると、タバコの煙を吐き出した。
「今度は何悩んでんだよ…」
どうせフランキーのことだからまた斜め上の悩みなんだろうな、とウソップは推測する。
3人の男は円座を組んで、頭を突き合わす。
フランキーは涙目を友人にジトリと向けて、憂悶激しい悩みを吐露した。


「中、」
「折れ…?」
前振りも何もなく、いきなりフランキーの口から飛び出した単語がそれで。
遣る方無い悩みの暴露に、サンジもウソップも『またこんなンかよ』という感想は否めない。
けれど、本人は
「彼女とヤってる最中に萎えちまって。その後は何してもちっとも勃たねェんだ…」
と至って深刻で、とはいえ、聞かされる身としては
「それは、それは…」
としか言葉が出て来ない。


「彼女には引導を渡された…元々、付き合ってること自体に疑問もあったから別れたことはいいんだけど、その別れた理由がソレってのが…」
フラれたのも初めての経験。
周辺の女子界隈にフランキーにとって不名誉な噂が流れることは必至だろう。
若い身空で何たる醜態!


「試しに風俗にも行ったけど。最初は勃つのに途中で萎える。そうなるともう勃ちゃしねェ…相手変えても、結果は同じ」
フランキーの目から、ほろり、と涙がこぼれる。
「おれはもう、18歳で枯れていくのかなァ…」
もうだめだ……と、己の人生を悲観し始めたフランキーを前に、サンジとウソップは顔を見交わした。


「そういう話なら医者の領分じゃねェか?インポ、ってことだろ?」
ウソップが言う。
「機能的な問題だと困るだろ?早目に病院に行って調べてもらって、薬出してもらえよ。そうだ、相談もおれ達よりカヤの方が的確な…」
「カヤにこんな相談出来るかァ?」
ウソップの提案に、フランキーの涙が流石に引っ込んだ。


「どんな顔で、カヤに『勃たねェんだけど』って言うンだよ?おれも困るがカヤも困るだろ、勃起の話だぜ?」
「お前、フランキーとカヤちゃんがチンポが勃つ勃たないを語っても平気なのかよ」
フランキーとサンジに「ちょっとは考えてもみろよ」と言われ、あ、と口を開いたままウソップは固まった。
この手は、ウソップにはまるで期待が出来ない話題なので、サンジが口を開く。


「フランキーよぉ、オナニーは?それも勃たねェの?」
「それは……出来る。幾らでも」
「オナニーは出来る、と。お前さァ…何をオカズにして、おッ勃ててンの?」
フランキーの肩が、ぴく、と揺らいだ。
「そのオカズは食えるワケだろ?セックスだって勃ってる間は、オカズのこと考えてンじゃねーの?」
「オカズ?」


オカズ、って何?
と訊いてくるウソップに、サンジは簡単に『オカズ』の説明をしてあげた。
新情報を得たウソップは真っ赤な顔になってて、今時珍しい野郎だな、とは思うけれど、今現在は役に立たないどころか、足手纏いにしかならない。
サンジは、はあ、と白い溜息をついた。


「だとしたらフランキー、お前…レディーに失礼極まりねェぞ?違う女だかシチュエーションだか知らねェが、他のこと考えてンのか?レディーを抱くときには!目の前のレディーに全力を尽くすのが男のマナーだろうが!」
サンジが全身から炎を噴き上げそうになったので、ウソップがまあまあと宥めた。
「フランキー、さてはてめェ…本命が別にいるンだろ?」
サンジはハアハアと肩で息をつきながら、タバコの火をフランキーに向けた。


「べ、別にそんなヒト、いませんが、ナニカ?」
フランキーの空色の瞳がサンジの部屋の中を横断した。
「本命には絶賛片想い中で、手が届かねェんだろ?だから、本命に見立てて他の女を抱くものの、何かの拍子に本命との違いを感じると、『これじゃねェ感』『ガッカリ感』が先立って、頭が冷えて、チンポも萎えちまう」
サンジはイライラと吸い口を噛んだ。


サンジにまるで見て来たかのようなことを言われ、フランキーは動揺をした。
自称『恋の狩人』も伊達ではないかもしれない。
確かに、言われてみればその通りで。
本当に抱きたいのはロビン。
でも、彼女に触れてはいけないから、だから、別の女を抱くしかなくて。
「うわー…その他女子は本命の代用品かよ…」
ウソップは色んな意味でカルチャーショックを受けました的な声を出した。


「…代用品って人聞きの悪ィ…」
「でも、サンジの指摘は当たってンだろ?」
「まァ…そりゃァ…」
「気持ちは分からんでもないが。お前の女性遍歴は結構になるだろ?それが皆、代用品だったってのァ…同性としても引くわ」
「無節操なのは知ってたが、そこまでとは…」


「ち、違ッ!」
フランキーは大きな手の平で二人を制した。
今回別れた彼女に関しては申し開きは出来ないが、それ以前の女性をロビンの代替だと意識して抱いたことはない。
無意識にはそう思っていた可能性はあるかも、ということは否定しないが。
とりあえず、盛大な誤解は即座に解かなくてはならない。


「これまでの全部が本命の代用品じゃねェよ!おれ自身、ロビンが好きなんだと気付いたのはついこないだで!だから、今回の中折…」
「ロビン?」
「ちゃん?」


はッ、


と思った時には遅かった。
既に言葉は唇から飛び出てしまい、サンジもウソップもその迂闊な言葉を捕まえた。
覆水は盆に返らない。



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